作り手が顧客視点をキープするのは困難、だからこそ重要!

立ちはだかる困難に苦悩する Web制作

ホームページ(Webサイト)制作にあたり、完成したサイトが顧客視点を欠いていたという非常によくある事例を紹介します。

打合せ後、発注側の要望を吸い上げてから必要な機能・コンテンツを盛り込んでデザインとコーディングが終了。検査を兼ねて第三者にホームページを見てもらったところ「利用者が知りたい情報が分かりづらい」、「どこに何があるかすぐに理解できない」等の意見にショック!

発注側の意見をしっかり聞いたし、業界調査も行った。発注側の反応も上々で、自分でも悪くない出来だと思っていたのになぜ・・・?こういうことってホームページ制作に限らず、どんな場面でもあり得ることですよね。

これはタイトル通り顧客視点を失っていたからなのですが、ではなぜ顧客視点を失ってしまうのか。○○を意識すればOKとか△△をすれば上手くいくということではなく、コレをしたからダメというポイントを反面教師として見てみましょう。

「こうあるべき」という思い込みやデザインのすり込み

関連サイトを調査した結果、業界でよく使われているデザインが無意識にすりこまれてしまった…非常にありがちなケースですね。

調査は当然やるべきなのですが、他のサイトの表面ばかりを見てしまって、なぜそういう構造にしたのかという考え方を理解せずに、形式だけを真似てしまうとよくハマってしまうポイントだと思います。

トップページには店長からのメッセージをドーンと書く、よく分からないけどそういうものだからそうしよう…こういうやり方が一番ダメです。よそ様のサイトが本当に参考になるのかも分からないし、規模も立地も違うのであれば簡単にマッチするわけがありません。

何も考えずによそ様のマネをするんじゃなく、作るサイトの方向性を定めてから構成を決める必要があります。少なくともトップページは、そのサイトの目的にあった作りにするべきです。

制作したデザインに対する悪い意味での慣れ

制作側からしたら当然ここにあるものと感じるボタンやメニューの配置も、一般の利用者にとっては分かりづらくて気付けないことが多いです。

例えば、 スマートフォン画面の左上か右上に表示される漢字の「三」みたいなメニューボタンです。ここをタップすると「商品一覧」、「アクセス」、「お問合せ」などのメニュー項目がずらっと出てきます。

スマートフォンは横幅が狭いので、パソコン画面のようにメニュー項目を常に表示させておくと全体が見づらくなってしまいます。このメニューボタンは省スペースで見栄えも良くなるので、多くのサイトで使われています。

しかし、 メニューボタンを知らない人からしたらどうでしょうか?ボタンをタップすれば色々なページの存在に気づけるのに、そのことを知らないので、情報が少ない1ページのみのホームページだと思われてしまう。

自分では見やすくした「つもり」なのに、人によっては大きなマイナスになってしまいます。

第一印象というのは初めてみるからこそ第一印象なのです。どれだけ意識しても新鮮な感覚をキープするには限界があります。作った人は、第三者の目線を持ち続けることは非常に難しいんですね。

さらに、小さな改良を繰り返しているうちに、気づくと利用者の感覚からかけ離れていたということも多々あります。こういう時こそ、チェックしてくれる第三者のありがたみが実感できるわけですね。

無駄のない構成への間違ったこだわり

ページごとに書いてある情報をきちんと整理して、分かりやすく配置することは大切なことです。

例えば店舗情報のページに、住所、電話番号、営業時間などをまとめて書いておけば見る人も分かりやすい。ここで気を付けたいのが、同じ情報を複数のページに書いてはいけないというルールはないことです。

例として、ヘッダー部分(どのページでも一番上に表示される部分)に電話番号を書いておけば、ホームページのどのページからも利用者は電話番号を知ることができます。

ついでに営業時間や受付時間を一緒に書いておけば、店舗情報のページを見ることなく電話をかけるかどうかの判断ができます。

この一手間があるかないかでも問い合わせの件数には違いが出ます。 利用者の面倒を取り除くことが大事です。ただし、同じ情報を複数個所に書く場合、やりすぎてとっ散らかったり、修正する際に漏れたりすることがないよう気を付けましょう。

まとめ

上記の問題への対策を簡単にまとめてみました。

・「こうあるべき」という思い込みやテンプレートのすり込み

→考えなしに他のサイトのマネをしない。サイトの目的に合ったデザインを考える。

 

・制作したデザインに対する悪い意味での慣れ

→作った人の感性は制作側になってしまっているので、第三者から意見や第一印象を聞く。

※利用者は制作側が思っているほど詳細までページを見ていないことを自覚する。

 

・無駄のない構成への間違ったこだわり

→発信側ではなく利用者にとって便利な情報を考え、利用者の面倒を減らせるように情報を配置する。

多くの場合、売り手が伝えたい事と買い手が知りたいことは一致していません。

トップページにメッセージをどーんと書くのもいいかもしれません、そういう目的でホームページを利用するなら。

しかし、もし売り上げのためにホームページを利用するというのであれば、見やすい位置に「買い手の悩みを解消」したり、「買い手にとってプラス」になる情報を書いておく方がよっぽど有効です。

 

「顧客視点」というのは非常に重要な考え方なので、今後も気を付けながら精進していきたいと思います。

 

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